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想いは時を超える ― アンティキティラの機械と現代の天文時計

想いは時を超える ― アンティキティラの機械と現代の天文時計

こんにちは。The Clock Worksの小田です。 今日は、ちょっと不思議でロマンのある“昔話”をひとつ、ご紹介させてください。 皆さんは「アンティキティラの機械」という名前を聞いたことがありますか? これは、今から2000年以上も前の古代ギリシャで作られたとされる、驚くほど精巧な“機械”です。1901年、エーゲ海に浮かぶアンティキティラ島の近く、沈没した古代の船の残骸から偶然発見されました。 錆びついた金属の塊のように見えたそれは、実は――数十個の歯車を組み合わせた複雑な構造を持ち、太陽や月の動き、日食、さらにはオリンピックの開催周期までも予測できる“天文計算機”だったのです。 ※画像は国立天文台HPより抜粋。 最初は“ただの錆びた金属の塊”にしか見えなかったこの物体。ところが解析が進むにつれて、そこには複雑に組み合わされた歯車や、月の満ち欠けを再現する仕組み、さらには日食や惑星の動きまで予測する機能が隠されていたことがわかってきたのです。 ※画像はwikipediaより抜粋。 こちらは、アンティキティラの機械をもとに再構成された内部構造の図面です。ご覧の通り、複数の歯車が巧妙に組み合わさった構造をしており、その精密さは、なんと**現代の機械工学の視点から見ても“非常に高度”**なものだと評価されています。 実際、このレベルの複雑な技術工芸品は、その後およそ1000年間、歴史の中に現れることはなかったのだそうです。 では、誰が、どんな目的でこの機械を作ったのか?あるいは、誰かに作らせたのか? 想像するだけでワクワクしますよね。 現在も研究は続いていますが、実のところ専門家の間でもまだ結論は出ていません。 そんな中、Wikipediaによると、興味深い記述があります。 この機械には“扉のような板”が付いていて、そこには2,000文字以上の説明文が刻まれていたそうです。この説明文は研究チームの間では「取扱説明書」と呼ばれており、それが添えられていることから、この機械は専門家ではない一般の人が使うことを想定していたのでは?という説もあります。 つまりこれは、“機械に詳しくない人でも使えるように工夫された天体時計”――まさに、古代人のための携帯用オーダーメイド天文ガジェットだったのかもしれません。 考えてみてください。遥か昔、星の動きを読み、計算し、設計し、加工して組み上げる――そんな知識と技術を持った人たちがいたという事実。 これはもう、「オーパーツ」(時代にそぐわない高度な技術製品)と呼ばれるのも納得ですよね。 彼らはどんな風にこの機械を使っていたのか。星空を見上げながら、どんな会話をして、どんな思いで暮らしていたのか―― 案外、私たちとそう変わらない日常を生きていたのかもしれません。天気や旅の話をしていたり、季節の移ろいに驚いたり。 そして時は流れ、2000年後。 同じように**“時を読み、宇宙のリズムを形にする”**機械工学の技術が、現代のドイツで結実しました。 それが、時計メーカー**Hermle(ヘルムレ)**のフラッグシップモデル―― **「テルリウム」**です。 この時計は、まさに**“現代のアンティキティラの機械”**とも言える存在。美しいインテリアであると同時に、天体の動きを再現する小宇宙のような存在でもあります。 興味を持たれた方は、ぜひ一度その構造や動きをご覧になってみてください。   🛒...

想いは時を超える ― アンティキティラの機械と現代の天文時計

こんにちは。The Clock Worksの小田です。 今日は、ちょっと不思議でロマンのある“昔話”をひとつ、ご紹介させてください。 皆さんは「アンティキティラの機械」という名前を聞いたことがありますか? これは、今から2000年以上も前の古代ギリシャで作られたとされる、驚くほど精巧な“機械”です。1901年、エーゲ海に浮かぶアンティキティラ島の近く、沈没した古代の船の残骸から偶然発見されました。 錆びついた金属の塊のように見えたそれは、実は――数十個の歯車を組み合わせた複雑な構造を持ち、太陽や月の動き、日食、さらにはオリンピックの開催周期までも予測できる“天文計算機”だったのです。 ※画像は国立天文台HPより抜粋。 最初は“ただの錆びた金属の塊”にしか見えなかったこの物体。ところが解析が進むにつれて、そこには複雑に組み合わされた歯車や、月の満ち欠けを再現する仕組み、さらには日食や惑星の動きまで予測する機能が隠されていたことがわかってきたのです。 ※画像はwikipediaより抜粋。 こちらは、アンティキティラの機械をもとに再構成された内部構造の図面です。ご覧の通り、複数の歯車が巧妙に組み合わさった構造をしており、その精密さは、なんと**現代の機械工学の視点から見ても“非常に高度”**なものだと評価されています。 実際、このレベルの複雑な技術工芸品は、その後およそ1000年間、歴史の中に現れることはなかったのだそうです。 では、誰が、どんな目的でこの機械を作ったのか?あるいは、誰かに作らせたのか? 想像するだけでワクワクしますよね。 現在も研究は続いていますが、実のところ専門家の間でもまだ結論は出ていません。 そんな中、Wikipediaによると、興味深い記述があります。 この機械には“扉のような板”が付いていて、そこには2,000文字以上の説明文が刻まれていたそうです。この説明文は研究チームの間では「取扱説明書」と呼ばれており、それが添えられていることから、この機械は専門家ではない一般の人が使うことを想定していたのでは?という説もあります。 つまりこれは、“機械に詳しくない人でも使えるように工夫された天体時計”――まさに、古代人のための携帯用オーダーメイド天文ガジェットだったのかもしれません。 考えてみてください。遥か昔、星の動きを読み、計算し、設計し、加工して組み上げる――そんな知識と技術を持った人たちがいたという事実。 これはもう、「オーパーツ」(時代にそぐわない高度な技術製品)と呼ばれるのも納得ですよね。 彼らはどんな風にこの機械を使っていたのか。星空を見上げながら、どんな会話をして、どんな思いで暮らしていたのか―― 案外、私たちとそう変わらない日常を生きていたのかもしれません。天気や旅の話をしていたり、季節の移ろいに驚いたり。 そして時は流れ、2000年後。 同じように**“時を読み、宇宙のリズムを形にする”**機械工学の技術が、現代のドイツで結実しました。 それが、時計メーカー**Hermle(ヘルムレ)**のフラッグシップモデル―― **「テルリウム」**です。 この時計は、まさに**“現代のアンティキティラの機械”**とも言える存在。美しいインテリアであると同時に、天体の動きを再現する小宇宙のような存在でもあります。 興味を持たれた方は、ぜひ一度その構造や動きをご覧になってみてください。   🛒...

時の芸術、月に一度の儀式──Hermle(ヘルムレ)「71013」マンスリー・レギュレーター登場

時の芸術、月に一度の儀式──Hermle(ヘルムレ)「71013」マンスリー・レギュレーター登場

2025年、Hermle社が新たに世に送り出したマンスリー・レギュレーター「71013」は、時計という枠を超えた“アートピース”そのものです。 エレガントな艶出しラッカー仕上げのウッドケースと、全面に面取りが施されたクリスタルガラスが織りなす立体感。その圧倒的な存在感は、設置した瞬間に空間全体の格を一段上へと引き上げます。 時を読む。月を眺める。 ダイヤル上部には、熟練職人の手による立体的なムーンフェイズ球が配されています。これは単なる装飾ではなく、10年にたった1日の修正で済む驚異的な精度を持ち、天体と時をつなぐ存在として、見る者に深い感慨をもたらします。 開発の「静かなる駆動」──Hermle高効率ムーブメント 本モデルに搭載されているのは、Hermle社が新たに開発した高効率ムーブメント。2.5kgという軽量ウエイトで31日間の駆動を可能にしました。 その心臓部には、6つの高精度ミニチュア・ボールベアリングと6石のルビー軸受が使われ、極限まで摩擦を抑えた動力伝達機構が組み込まれています。 さらに、脱進機にはルビーパレット付きグラハム式を採用。その結果、月差わずか数秒という、機械式クロックとしては驚異的な精度を誇ります。一般的な機械式クロックが月差数分の誤差を持つ中で、この性能は群を抜いています。 月に一度だけ、巻き上げるという贅沢。 ぜんまいを巻くのは月に一度だけ。しかしそれがまるで“儀式”のように感じられます。 巻き上げの瞬間は、時間に手をかけるという行為そのもの。静かな動作音と、控えめな振り子の動きによって、空間の静謐さを壊すことなく、気品と格式を添えてくれます。 製品仕様 ・ムーブメント:手巻き式(31日巻) ・脱進機:ルビーパレット付きグラハム式 ・表示機能:ムーンフェイズ(手描き立体球) ・ガラス:全面面取りクリスタルガラス ・サイズ:約W28 × D15 × H94 cm ・原産国:ドイツ(Hermle社製造) The Clock Works 正規直輸入販売店としての誇り 当店は、Hermle社と直接取引を行う日本国内の正規専門店です。通常の販売店と異なり、輸入商社や卸を介さずにお届けすることで、適正価格・信頼性・サービス品質の三拍子を実現しています。 さらに以下の安心をお約束します: ✅...

時の芸術、月に一度の儀式──Hermle(ヘルムレ)「71013」マンスリー・レギュレーター登場

2025年、Hermle社が新たに世に送り出したマンスリー・レギュレーター「71013」は、時計という枠を超えた“アートピース”そのものです。 エレガントな艶出しラッカー仕上げのウッドケースと、全面に面取りが施されたクリスタルガラスが織りなす立体感。その圧倒的な存在感は、設置した瞬間に空間全体の格を一段上へと引き上げます。 時を読む。月を眺める。 ダイヤル上部には、熟練職人の手による立体的なムーンフェイズ球が配されています。これは単なる装飾ではなく、10年にたった1日の修正で済む驚異的な精度を持ち、天体と時をつなぐ存在として、見る者に深い感慨をもたらします。 開発の「静かなる駆動」──Hermle高効率ムーブメント 本モデルに搭載されているのは、Hermle社が新たに開発した高効率ムーブメント。2.5kgという軽量ウエイトで31日間の駆動を可能にしました。 その心臓部には、6つの高精度ミニチュア・ボールベアリングと6石のルビー軸受が使われ、極限まで摩擦を抑えた動力伝達機構が組み込まれています。 さらに、脱進機にはルビーパレット付きグラハム式を採用。その結果、月差わずか数秒という、機械式クロックとしては驚異的な精度を誇ります。一般的な機械式クロックが月差数分の誤差を持つ中で、この性能は群を抜いています。 月に一度だけ、巻き上げるという贅沢。 ぜんまいを巻くのは月に一度だけ。しかしそれがまるで“儀式”のように感じられます。 巻き上げの瞬間は、時間に手をかけるという行為そのもの。静かな動作音と、控えめな振り子の動きによって、空間の静謐さを壊すことなく、気品と格式を添えてくれます。 製品仕様 ・ムーブメント:手巻き式(31日巻) ・脱進機:ルビーパレット付きグラハム式 ・表示機能:ムーンフェイズ(手描き立体球) ・ガラス:全面面取りクリスタルガラス ・サイズ:約W28 × D15 × H94 cm ・原産国:ドイツ(Hermle社製造) The Clock Works 正規直輸入販売店としての誇り 当店は、Hermle社と直接取引を行う日本国内の正規専門店です。通常の販売店と異なり、輸入商社や卸を介さずにお届けすることで、適正価格・信頼性・サービス品質の三拍子を実現しています。 さらに以下の安心をお約束します: ✅...

【思想と美学】機械式クロックは“合理性”で語るべきものなのか?

【思想と美学】機械式クロックは“合理性”で語るべきものなのか?

──それは、時を愛でる為の美術品である。 こんにちは。世の中が「効率」や「合理性」であふれる現代、あえて問いかけます。 時計とは、“便利な道具”でなければいけないのか? 電池式やスマートクロックが普及し、1秒の狂いもない「完璧な時間管理」が可能な時代。しかし、機械式クロックは──ゼンマイを巻き、重りを吊るし、時に数分のズレさえ許容しながら、あえて“面倒”を抱え込む存在です。 それでも、いや──だからこそ、機械式クロックには“美”が宿るのです。 ■合理性で測れば、機械式クロックは劣等である ・正確さではクォーツに劣る・手間がかかる・メンテナンス費用がかかる・価格も高い こうした尺度で見れば、確かに機械式クロックは“時代遅れ”に映るかもしれません。 しかし私たちは、こう反論します。 “美術品”に対して、合理性の物差しを当てること自体が間違っている。 たとえば絵画。たとえば彫刻。それらに対して「これを飾ることで何分得をするか?」などと問う人がいるでしょうか。 機械式クロックは、“使う”ものであると同時に、“愛でる”ものなのです。 ■“時を刻む彫刻”としての機械式クロック ヘルムレのレギュレータクロックを例にとりましょう。重厚かつエレガントな木製ケース、揺れる振り子、静かに噛み合うギアとテンプ。そこには、工業製品を超えた工芸品としての魂があります。 振り子が1秒ごとに打つリズム。それはまるで、空間に“心臓の鼓動”を生み出すかのようです。 この存在感は、液晶画面に数字を映すだけのスマートクロックには決して到達できません。 ■“手間”とは、愛着の源である 毎週のゼンマイ巻き。時には分針の調整。設置時の水平バランス調整。ひとつひとつの“面倒”が、所有者の手を通じて時間とつながっていく。 効率の対極にあるこれらの行為は、時計との関係性を深める儀式でもあります。ただ時間を知るための道具ではなく、時を“感じる”ための存在──それが機械式クロックです。 ■機械式クロックは、あなたの“感性”を映す鏡 機械式クロックを選ぶという行為は、単なる購入行動ではありません。それは、自分自身の「美意識」や「人生観」と向き合うということ。 ・“便利さ”ではなく“物語”を選ぶ・“価格”ではなく“価値”を感じる・“情報”ではなく“空気”を味わう そんなあなたにこそ、The Clock Worksは機械式クロックという**“時の芸術品”**をご提案したいのです。 ■結論:機械式クロックは、暮らしに“静かな誇り”を与える 合理的であることが正義とされる時代に、あえて非効率で、あえて不便で、あえて高価であるものを選ぶ。 そこに宿るのは、静かな反抗であり、確かな美意識です。 私は信じています。**機械式クロックとは、人生の豊かさを測る“もう一つの物差し”**であると。 The...

【思想と美学】機械式クロックは“合理性”で語るべきものなのか?

──それは、時を愛でる為の美術品である。 こんにちは。世の中が「効率」や「合理性」であふれる現代、あえて問いかけます。 時計とは、“便利な道具”でなければいけないのか? 電池式やスマートクロックが普及し、1秒の狂いもない「完璧な時間管理」が可能な時代。しかし、機械式クロックは──ゼンマイを巻き、重りを吊るし、時に数分のズレさえ許容しながら、あえて“面倒”を抱え込む存在です。 それでも、いや──だからこそ、機械式クロックには“美”が宿るのです。 ■合理性で測れば、機械式クロックは劣等である ・正確さではクォーツに劣る・手間がかかる・メンテナンス費用がかかる・価格も高い こうした尺度で見れば、確かに機械式クロックは“時代遅れ”に映るかもしれません。 しかし私たちは、こう反論します。 “美術品”に対して、合理性の物差しを当てること自体が間違っている。 たとえば絵画。たとえば彫刻。それらに対して「これを飾ることで何分得をするか?」などと問う人がいるでしょうか。 機械式クロックは、“使う”ものであると同時に、“愛でる”ものなのです。 ■“時を刻む彫刻”としての機械式クロック ヘルムレのレギュレータクロックを例にとりましょう。重厚かつエレガントな木製ケース、揺れる振り子、静かに噛み合うギアとテンプ。そこには、工業製品を超えた工芸品としての魂があります。 振り子が1秒ごとに打つリズム。それはまるで、空間に“心臓の鼓動”を生み出すかのようです。 この存在感は、液晶画面に数字を映すだけのスマートクロックには決して到達できません。 ■“手間”とは、愛着の源である 毎週のゼンマイ巻き。時には分針の調整。設置時の水平バランス調整。ひとつひとつの“面倒”が、所有者の手を通じて時間とつながっていく。 効率の対極にあるこれらの行為は、時計との関係性を深める儀式でもあります。ただ時間を知るための道具ではなく、時を“感じる”ための存在──それが機械式クロックです。 ■機械式クロックは、あなたの“感性”を映す鏡 機械式クロックを選ぶという行為は、単なる購入行動ではありません。それは、自分自身の「美意識」や「人生観」と向き合うということ。 ・“便利さ”ではなく“物語”を選ぶ・“価格”ではなく“価値”を感じる・“情報”ではなく“空気”を味わう そんなあなたにこそ、The Clock Worksは機械式クロックという**“時の芸術品”**をご提案したいのです。 ■結論:機械式クロックは、暮らしに“静かな誇り”を与える 合理的であることが正義とされる時代に、あえて非効率で、あえて不便で、あえて高価であるものを選ぶ。 そこに宿るのは、静かな反抗であり、確かな美意識です。 私は信じています。**機械式クロックとは、人生の豊かさを測る“もう一つの物差し”**であると。 The...